【活動報告】学校外の居場所を子どもにとってさらに安全な場へ!〜こども家庭庁と意見交換を行いました〜
- 香織 高橋
- 12 分前
- 読了時間: 7分
日頃より、当団体(NPO法人 多様な学びプロジェクト)の活動にご理解とご支援をいただきましてありがとうございます。
代表理事の生駒です。
フリースクールや教育支援センターなど、学校の外にある「居場所」は、学校外で育つ(いわゆる不登校の)子どもたちにとって、心を休め、自分らしさを取り戻せる大切な場所になりうるところです。
そんな居場所が、こどもにも、保護者にも、より安心できるものになるよう、「こども性暴力防止法(日本版DBS)」の施行を前に、フリースクールや教育支援センターなど、学校外の学びの場でも子どもの安全をどう守っていけるか、国(こども家庭庁)と私たちとで意見交換をさせていただきました。
どんな法律なのか詳しく知りたい方は、こちらの資料もご覧ください。

💡 私たちが伝えた2つの要望
今回の意見交換では、特に次の2点をお伝えしました。
1. フリースクールも対象にしてほしい
【現状の課題】「こども性暴力防止法」は、要件にあてはまる「民間教育事業」者も認定の対象とする方針ですが、「民間教育事業」の例としてフリースクールは記されていません。
【お願いしたこと】そこで、私たちは、資料の例示に、フリースクールなどの居場所を加えていただき、制度の対象としてはっきり示してほしいとお願いしました。
【こども家庭庁から】「フリースクールも対象になりうる」との回答をいただき、資料などで例示する方向で検討していただけることになりました!
2. 小さな団体にも支援の仕組みを
【現状の課題】「こども性暴力防止法」が施行されると、認定を受けたフリースクールには「犯罪事実確認(日本版DBS)」の実施や、職員・ボランティアへの定期的な研修などが義務付けられます。 しかし、フリースクールは、少人数で運営しているところが多くあります。そのため、専門的な研修を行ったり、専門家への相談の整備を自前で行うことは、簡単ではありません。
【お願いしたこと】そこで私たちは、以下のようなサポート体制を国で整えてほしいとお伝えしました。
研修の無料提供:できればスタッフ・ボランティア向けと運営者向け研修の2つ
団体向け相談窓口: 団体が弁護士など専門家に相談できる相談窓口の設置
利用者向け相談窓口:団体内の相談窓口に、こどもや保護者が相談できないときの為の、外部の相談窓口の設置。また相談を受けて、外部機関が調査し、指導する仕組み。
【こども家庭庁から】
研修については「国が標準的な研修を提供する方向で検討中」との回答をいただきました。また各業界において、現場の実態を踏まえた工夫のある研修を行い、それらを受講することも可能とのご回答をいただきました。団体単独で研修を行えなくても、研修を受ける体制が整えられれば、申請が可能です。(その他の要件については資料をご確認ください。)
「団体向け相談窓口の設置」についても、必要性を理解いただき、今後の検討課題として受け止めていただきました。
「利用者向け相談窓口の設置」については、既存の相談窓口(ワンストップ支援センター)の活用ができることや、ワンストップ支援センターから報告があれば、国から認定団体へ指導されることを示していただきました。

なぜ今、この取り組みが必要なのか
フリースクールなど学校外の居場所では、こどもや保護者が安心して声をあげづらい構造的な問題があります。こどもが安心して過ごせる体制づくりをどう進めるかについて、現場からの声を届けました。


また、私たちの団体では2019年から、他のネットワーク団体と協働事業の「#学校ムリでもここあるよキャンペーン」において、居場所の安全を高める「セーフガーディング」の取り組みを導入し、推進してきました。その具体的な取り組みについても、紹介させていただきながら、意見交換させていただきました。



この取り組みをきっかけに、「フリースクール全国ネットワーク」でも、人権相談窓口の設置やガイドラインひな型の作成と設置推奨、研修の実施などが進められています。その取り組みも、合わせて紹介させていただきました。

🌱 安心できる「学校外の居場所」を全国へ
この「こども性暴力防止法」は、学校外の居場所にもこどもの安全確保を法律で義務付ける画期的な一歩です。
とはいえ運営規模が小さな団体では、どんなに想いがあっても、制度対応を続けるのが難しい現実があります。そのことは当団体が、寄付やボランティアの力をいただきながら、「街のとまり木ポータルサイト」や「とまり木オンライン」、「フリースクール伴走支援事業」など、居場所支援を続けながら、現場のみなさまとのやりとりを通じて、痛切に感じるところです。
「こどもたちの居場所を安心して続けられるようにする」ためには、行政と現場が手を取り合うことが大切だと考えています。
この法制度が「絵に描いた餅」とならず、全国の小さな居場所まで実効性を持って届くように、私たちはこれからも行政と現場の橋渡し役として、誰もが安心して育つことができる仕組みを整えていきたいと考えています。
学校外で育つすべてのこどもたちが、安心して立ち寄れる「学校外の居場所(街のとまり木)」を全国に広げていくために。引き続き皆様のご支援とご協力をお願い申し上げます。

【寄付のお願い】 当団体の活動は、皆様からのご寄付によって支えられています。ぜひご協力をお願いいたします!
【当団体の事業】
こども/保護者/支援者の皆様へ
▼街のとまり木サイト:https://tomarigi.online/
『街全体を学び場に』というコンセプトで、平日の昼間でも安心して立ち寄れる地域の居場所や相談先「街のとまり木」を紹介しています。孤独感を感じやすい時間帯に、当サイトにてお住まいの地域を検索すると、安心して立ち寄れる居場所が見つかります。 教育関係者の方にも、ぜひ地域の居場所を検索していただき、子どもや保護者の孤立感を高めない情報提供を。また、支援団体の皆様には、ぜひ街のとまり木にご登録いただき(無料)、子どもや保護者にとっての「とまり木」の一つになっていただけると嬉しいです。現在全国約570の団体が登録しています。
▼とまり木オンライン:https://online.tayounamanabi.com/
「不登校からの進路、進学、どうできる?」「不登校の子どもを育てる保護者が安心できる情報がほしい」「フリースクールスタッフや教育相談スタッフの支援スキルを伸ばしたい!」そんな悩みをもたれていませんか?日々悩みを抱えながら頑張っておられる保護者や教育関係者にひらかれたオンラインコミュニティです。
約100本の豊富な講座動画が見放題!毎月のオンライン講座やイベントに参加でき、スマホからもアクセス可能。満足度82%、継続率96%。
不登校、登校しぶりの子どもへの対応の仕方など、専門家のレクチャーや、不登校経験者・先輩保護者の生の声から学ぶことができます。保護者同士、支援者同士の交流会や、自主企画も人気です。今日からの安心につながります。ぜひご参加ください!
〜2025年より自治体向け、団体向けサービスも開始!〜
不登校支援に取り組もうとされている/取り組まれている企業・自治体の皆さまへ
当法人では、自治体の不登校施策に関するご相談・ご支援を承っております。不登校施策のコンサルティング、エビデンスに基づく施策の立案支援や調査、保護者向けイベントやワークショップの企画・運営、保護者オンライン支援サービスのご提供、居場所の一覧サイト作成、また不登校の子どもとそのご家庭を支える関係職への研修プログラムの実施も可能です。地域の実情やご要望に応じて、柔軟にご提案いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。
▼調査・政策提言/政策形成支援事業:
当事者の声を元に社会の構造を変える!
当事者団体の良さを活かし、エビデンスベースで政策提言を行っています。



















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